人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日々の出来事から、思ったこと、感じたことを綴らせてもらいます。
by nogi203
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
全体
歴史分析
年金話あれこれ
ドラマ ありがとう
労働基準法の穴
その他
以前の記事
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
メモ帳
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


さあ 世界史を語ろう。 第32回 共和制の行き詰まり

 パトリキとブレブスの身分闘争でブレブスが勝利し、ローマの意思決定権を民会を通して掌握することができた。ブレブスとは、当時の中産階級であろう。その中産階級が国家の主体であるうちは、力のバランスのとれた国際関係が望ましかった。しかし、そのうちブレブスの中から中産階級を抜け出し、富裕層になる者が出てくると、富裕層が望むような国際関係を求めてくる。
 さらに、そうした富裕層の中から元老院に加わる者が出てくると、元老院がローマの意思決定に大きな影響力を持つようになってくる。彼らが求めるものは、大規模な農業経営であり、そのための大土地所有とたくさんの奴隷労働力である。その奴隷労働力をより多く獲得するためには、戦争での勝利が必要である。
 こうして、力のバランスのとれた国際関係を望んでいたローマは、新富裕層が国家の主体となることによって、より多くの奴隷を獲得できる拡張政策に方針転換することになる。そのきっかけが、ピドナの戦いであるが、それに続く戦いにおいて、ローマは連戦連勝し、ついにはカルタゴも滅亡に追いこんでいくのである。
 当然、戦勝がもたらす奴隷はローマの富を大きくするが、それは同時に、やがてはローマ市民を増加させる要因となるものでもあった。奴隷にも解放されれば市民権を与えるというのが、それまでの方針であったが、市民の増加は他方では、財政の負担を大きくするものである。増える市民の数と財政の拡大という新たな局面を向かえたローマは、この時、市政の運営、軍事面の改革なども同時に行なったはずである。
 その改革とは、主に、大土地所有を禁止し、独立自営の小農業主を主体とする軍隊への回帰策でなければならいはずであった。しかし、いまや大土地所有者となり、元老院を支配するまでになったブレブス階級は、それらの改革を妨害することになる。
 かくして、グラックス兄弟による改革も失敗することになるが、それは同時に、ローマ共和制の行き詰まりをも意味していたといえるのではなかろうか。
by nogi203 | 2005-02-21 15:46 | 歴史分析
<< さあ 世界史を語ろう。 第33... さあ 世界史を語ろう。 第31... >>