松下電器産業は2007年度までの3年間で、中国で約2000人の大卒技術者を採用するそうである。現地採用ということでしょう。現地採用ということになると、日本の労働保険や社会保険は適用されません。
ご存知のように、雇用保険にも健康保険にも、そして厚生年金保険にも事業主負担というももがあります。労災保険は全額事業主負担です。現地採用ということは、これらの負担がすべてなくなるということです。もちろん、中国にも、これらに相当する保険制度があることでしょう。そして、事業主負担も相応のものがあることでしょう。しかし、賃金水準の違いから日本の負担額とは比較にならないぐらいに低額なものになることでしょう。
松下が中国で現地採用を増やすのは、もちろん、中国での競争力を強化することが最大の目的でしょうが、他方では、こうした背景があることも事実です。ことにこれから、厚生年金保険料の高騰が確実視されている日本国内の事業環境をみれば、こうした人事政策をとるのもひとつの経営方針」ということになるのでしょうか。