インフレ社会では物は長く持っていればいるほど評価額は上がっていく。逆に、デフレ社会では、ものは長く持てばもつほど手持ち資産は目減りする。だから、デフレ社会では、いったん物を持ったならば,できるだけはやく処分しなければならない。それはいうならば、取り引きにスペードが要求されということでもある。そのスピードを可能にするものこそがIT技術であるとすると、IT技術に長けたIT業者がデフレ社会では繁栄するということになる。
ところが、昨今、そのIT技術に長けたIT業者がかげりを見せてきた。若くして高額な収入を得ることが、社会的調和を乱すものとして旧体制から反発を受け,ついにはホリエモンの逮捕にまで至る。そのこと自体、単なる旧体制からの反発とみることももちろん可能であるが,IT業者繁栄の土台がデフレ社会にあったことを考えてみれば,デフレ社会終焉の兆しが現れてきたと見えなくもない。