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遺族厚生年金がなくなると---。
厚生年金の改革案について、受給額を妻と等分にするという案が出ている。
この改革案につては様々な影響が出ることになるが、今回取り上げるのは、遺族厚生年金に対する影響である。夫が厚生年金保険の被保険者であり、妻が専業主婦であった場合、夫が死亡すると、妻に遺族厚生年金が支給される。支給額は夫の老齢厚生年金の4分の3である。しかし、夫の生前すでに老齢厚生年金が等分されていると、妻の受け取る年金受給額は夫の死亡に関係なく、年金受給額の2分の1である。しかもそれは遺族厚生年金として受け取るのではなく、妻自身の老齢厚生年金として受け取ることになる。つまり、妻の遺族厚生年金というものがなくなることになる。 遺族厚生年金がなくなるということの意味は、単に妻の受給額が4分の3から2分の1になるということではない。それは、遺族厚生年金は非課税所得として課税対象にはならないのに対し、老齢厚生年金は所得とみなされて課税対象になることによる。このことは、妻にとって厳しい状況であるが、税を徴収する側からみれば、財政を好転させる状況になるといえよう。 影響は税負担の問題にとどまらない。社会保険料に関しても少なからぬ影響がある。特に、国民健康保険料と介護保険料についてである。この二つの社会保険の保険料は均等割及び所得割という方法で算定されることになっている。均等割は所得の有無に関係なく一定額を負担することになるが、所得割は世帯の所得によって負担額が変わる。となると、非課税所得として所得とはみなされていない遺族厚生年金の受給世帯は、所得割による国民健康保険及び介護保険の保険料の負担はその分免れることになる。 しかし、遺族厚生年金というものがなくなるとどういうことになるか。遺族厚生年金を受給することによって、国民健康保険及び介護保険料の負担を軽減されていた世帯は、所得とみなされる老齢厚生年金の受給世帯になるので、国民健康保険料及び介護保険料の算定基礎となる部分が増えることになる。保険料を徴収する側にとっては、好ましい状況が生まれることになるが、老齢年金受給世帯にとっては厳しい状況に直面することになる。。厚生年金の受給額を妻と等分するという案は、まさに、このような状況が生まれることを意味するのである。 実は、このことに関してはある論文が上程されている。大阪大学の下野恵子教授と電波学園教育センターの竹内滋子さんの共同論文「遺族厚生年金の課税化による税・社会保険料収入増の試算」という論文である。小宮山厚労大臣がこの論文のことをしているかどうかはともかく、厚労省の官僚はおそらく知っているのではないか。とすれば、今回の厚労省の年金改革案はこの論文の影響をうけたともみなせなくもない。
by nogi203
| 2011-11-04 14:07
| 年金話あれこれ
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