芦田愛菜ちゃんが大人気である。連続ドラマやバラエティー番組などへの出演、その出演本数は相当数にのぼる。愛菜ちゃんは明日(6月23日)7歳になり、まだ小学校1年生である。しかし、愛菜ちゃんがいくら可愛くても、子役として演劇に出演する限り、労働基準法の適用を受ける。(労働基準法第56条) そのため、出演する場合には修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書及び親権者又は後見人の同意書を所轄労働基準署に提出の上、労働基準署長の許可を得なければならない。そして、その許可を貰う際の注意点として、以下のことが例示されている。
1、児童は修学時間外においてのみ使用すること。
2、児童の労働時間(演劇への出演時間だけでなく、稽古及び衣装替えの時間も含む)は修学時間 を通算して1日について7時間、1週間について40時間を超えてはならない。
3、賃金は必ず児童本人に支払わなくてはならない。
4、保護者による送迎が行われるように努めること。
5、必要に応じて就労時間中に食事時間を与える等の配慮をすること。
6、十分な睡眠時間が確保されるように努める等、児童の健康及び福祉に配慮すること。
以上
ここで問題となるのは、労働時間が1日7時間、1週40時間しか認められていないことである。そして、その労働時間は修学時間を含めてであるから、修学時間が1日4時間なら残りは3時間、週30時間ならば残りは10時間しかないことである。しかも、労働時間には稽古及び衣装替えの時間まで含まれるのであるから、本番での時間はかなり短いものになると想定しなければならない。これだけの時間内において、愛菜ちゃんの出演場面がすべて収録されるものかどうか、相当疑わしいと言わねばなるまい。
児童の就労状況について学業又は健康に悪い影響を及ぼす恐れが生じた時は、まず学校において指導することになっていて、労働基準監督署がすぐさま干与はしないらしいが、それにも程度があるというものであろう。度が過ぎれば、行政指導ということも考えられるのではないか。