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海上保安官,逮捕されず。
海上保安官は逮捕されなかった。妥当な処分であったと考える。
逮捕の基準の一つに,流出された尖閣映像が職務上知り得た秘密に該当するか否か,と言う問題があった。そもそも、国家公務員法上「秘密」とは 1、一般人が知らない情報であること 2、秘密として保護するに値するものであること、とされている。ただし、形式的に秘密扱いしているだけでは秘密と言うには不十分と判断される。 「秘密」は国家だけにあるのではない。個人にもあるし、家庭にもある。そして、企業にもある。特に、企業の場合、営業の秘密としてその定義が示されている。以下の通りである。 「秘密として管理されている生産方法,販売方法、その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」 (フォセコ・ジャパン・リミティッド事件 奈良地裁昭和45、10,23) 秘密として管理されていて,公然と知られていないもの、であるから国家公務員法の秘密と大きな違いはない。形式的に秘密扱いされているだけでは不十分というのも同じである。従って,今回の事件で、海上保安官が逮捕されたとなると、この営業の秘密に関する定義にも少なからぬ影響が及ぶものと考えられる。特に問題は、秘密として管理されているという部分である。尖閣映像は海上保安官としての職務上教材として利用されるべきものであって、海上保安庁内では誰でも自由に見ることができ、海上保安庁内のネットワークを通じてダウンロードすることも可能であったという。これでは、秘密として厳格な管理下にあったとは言い難い。会社内で秘密文書が机の上に雑然と放置されているのと大きな違いはない。 もしこれが、秘密として扱われるのであれば、管理の基準そのものが緩やかになってしまう。その結果,生じるのは、秘密として保護されべき情報というものの範囲が拡大されることである。範囲が拡大されれば,企業は退職者が雇用期間中に習得した情報,技術に基づいて,事業を起そうとする場合,競業避止義務違反で訴えるのが容易になる。退職者が憲法上の職業選択の自由に反するものであると訴えても,敗訴する可能性は高くなる。ことほど左様に,今回のような状況下で海上保安官を逮捕するということは、事の影響が大きくなる恐れがあることから、逮捕が見送られたというのは、妥当な判断であると評価したい。
by nogi203
| 2010-11-16 14:46
| その他
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