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日々の出来事から、思ったこと、感じたことを綴らせてもらいます。
by nogi203
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アンジェリーナ・ジョリーの卵巣摘出手術。

 アンジェリーナ・ジョリーが卵巣の摘出手術を受けたという。アンジェリーナ・ジョリーの摘出手術は2013年5月の両乳房に続いてのことである。摘出の理由は彼女の持つ遺伝子が変異してガンになるリスクが高いためであるという。この手術の意義について、彼女はガンになることに怯えて暮らしている女性に、こういう選択肢もあるということを知ってもらいたかったためと語っている。確かに、その決断は高く評価されようが、問題はこの手術が予防目的であるということだ。予防目的であるとすれば、まず、日本では健康保険は適用されない。となると、手術を受けようとすれば、費用は全額自己負担となる。
 では、その点でアンジェリーナ・ジョリーの場合はどうだったのかである。この点に関して、アメリカである裁判例がある。以下の通り。
 20歳の女性がいた。その女性の母は48歳で卵巣ガンで死んだ。そして、その叔母も47歳で卵巣ガンで死んだ。女性は自分も卵巣ガンになる恐れがないか診察を受けた。すると、その危険性はあるが、今、卵巣を取り除いておけば、危険はなくなると診断された。女性は卵巣摘出手術を受けた。そして、その手術代を保険者に請求した。しかし、保険者は拒否する。納得できない女性は裁判を起こす。1審では女性は負ける。しかし、2審では勝利する。手術費は保険で賄うことができたのである。
 アンジェリーナ・ジョリー自身がこの裁判のことを知っていたかどうかはわからない。しかし、ハリウッドの大スターとなれば顧問弁護士がついているであろうから、自らの遺伝子について何らかの不安をもらしておれば、弁護士はこの判例に基づいて何らかのアドバイスを与えたことは十分に予想できる。とすれば、彼女が手術を受けたとき、この裁判のことも少しばかり言っておいてもおいてもよかったのではないかとも思う。もっとも、日本で同様の裁判を起こしたとしても、勝てるかどうかはわからないが。

# by nogi203 | 2015-04-07 14:22 | その他

悪用されるか、マイナンバー。

 マイナンバーの通知カードが交付されるのは、今年の10月からである。住民票を有する人すべてに交付されるそうであるから、外国人にも配布されることになる。簡易書留で郵送されるそうであるから在宅していなければならない。在宅していない場合、不在通知を入れて再度配達するという。通知カードには氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバーが記載されていて、このカードを示して、市区町村に申請すると、来年1月以降個人番号カードの交付を受けることになる。このカードは身分証明書として使えるほか、様々な行政サービスを受けるときに利用できるということである。
 このカード制度の目的は3つある。まず、行政を効率化すること、次に国民の利便性を高めること、そして公平かつ公正な社会を実現することである。
 国民が求める行政サービスは複雑である。理由は行政機関によって所管する事務が異なることにある。ならば、国民すべてに交付されたマイナンバーを行政機関が共有することによって、その複雑さは解消されるのではないか、という発想が起こる。例えば、社会保険庁と税務署、公共職業安定所、労働基準監督署などがマイナンバーを共有すると、年金の裁定請求や確定申告、雇用保険による給付手続きなどが効率的になることが期待される。また災害発生時の給付手続きもスムーズに行うことが期待される。
 問題は、マイナンバーを扱うものによって悪用されるのではないかという懸念である。マイナンバーは行政手続を行う場合でしか使えないということであるが、民間企業に勤務するものは給与をを受け取るのであり、給与を支払った民間企業は給与から税金を源泉徴収しなければならず、その際従業員からマイナンバーを提出してもらわねばならない。すると、民間企業もマイナンバーを把握していることになる。従業員としては、それが安全に管理されているかどうかという懸念がどうしても残る。
 対策として、マイナンバーが適切に管理されているかどうかを監視・監督する特定個人情報保護委員会という第三者機関を設置したり、行政機関ごとにマイナンバーを分散管理したり、システムにアクセスできる人を制限したりするなど、様々な方法が取られるという。特定個人保護委員会については公安委員会、公正取引委員会に次ぐ、内閣府に新設される三条委員会ということであり、取締には強力な権限を有するという。
 さらに、このマイナンバー制度特有のものとしての情報提供等記録開示システムというものがある。これは、自分のマイナンバーが誰が、誰と、いつ、なぜ使ったのか、自分で確認することができるというシステムである。誰が、誰と、いつ、なぜ使ったのかを確認できるというのは、これは確認権というものが権利として認められているということである。これは、制度としては、相当踏み込んだものと解する。なぜなら、権利などというものは一旦認めると、あとで暴走することもあるのだから。
 そこで、問題はなぜ権利として認めたかである。このマイナンバーというのは、表面上番号によって国民を管理しようとする制度に見える。通常、こういう場合、国民は管理する方(国)を強者、悪人とみて、管理される方(国民)を弱者・善人とみる。そういう意識が国民にあるとすれば、国家としては、国民を説得する必要があると考える。確認を権利として認めることは、いわば、国民を説得するための国側の譲歩であると解したい。
 しかし、権利の使われ方は未知数である。悪用するのはマイナンバーを収集する方だけとは限らない。収集された方にもその可能性はあるといわねばなるまい。
 
 
 

# by nogi203 | 2015-03-23 16:14 | その他

セクハラ判決下る。

 懲戒処分が不当であるという上告に対し、処分は妥当であるという判決が最高裁で下った。処分内容は課長代理から係長への降格、それに伴う減給2割、そして被告2人それぞれに30日間と10日間の出勤停止である。懲戒処分における原則に相当性というものがあり、被告が所属していた会社では以前にも、今回被告が犯した行為と同様の行為が行われ、その際には今回のような処分はなされなかったとして、相当性に関して問題があるとして上告したわけであるが、確かに相当性を根拠とするならば、上告に理由はあるといわねばなるまい。
 しかし、セクハラ行為に対する社会の目は厳しくなっている。普通、不法行為を理由に提訴する場合、立証責任は被害者にあるが、ことがセクハラ行為に関しては立証責任の転換ということがいわれている。つまり、被害者の方がこのようなことをされましたと証明するのではなく、そのようなことはしていませんと加害者の方に証明させようというのである。それだけ、セクハラ行為に対して厳しくなっていることの証である。今回上告した被告には、その点認識が不足していたといえるのではないか。まして、会社側が日頃からセクハラ防止に取り組んでいて、禁止文書まで交付していたというからなおさらである。
 今回処分は降格、減給、出勤停止ということであるが、被害者によっては会社に加害者の解雇まで要求してくることもある。今回の被告は約1年にわたり繰り返していたというのであるから、それぐらいの要求をされてもおかしくない。むしろこれぐらいの処分で済んで良かったのではないか。

# by nogi203 | 2015-03-03 13:20 | その他

今日のゲストは佐良直美さんです。

 BSジャパン、1月26日午前5時15分放送、チータだ、元気だ、歌友達、より。

水「さて皆さん、今日は本当に来ていただきたかった方をゲストにお招きしているんでございます。もう、随分長いですね、お付き合いが。でも、今日は久しぶりでございますのでご紹介します。佐良直美さんです。ようこそ、おはようございます。」
佐「おはようございます。」
水「朝早くからすいません。」
佐「いえ、早いのは慣れてますから。」
水「あっ、そうね。」
佐「えっ、へっへっへっ------」
水「いつも何時頃起きるの?」
佐「4時」
水「4時!」
佐「夕方じゃないよ」
水「わかってますよ。(笑)」
佐「その代わり、夜になったら10時頃に寝ちゃうの」
水「そうなのよね」
佐「そうしないと、仕事が間に合わないのよ、4時に起きないと」
水「いわゆる、運動したりとか」
佐「犬の世話、猫の世話とかあって」
水「可愛いですね見てください、このお行儀の良さ」(佐良さん、犬を2匹連れて出演)
佐「この黒い方がパナです。こちらが、白黒の方がクレアといいます。」
水「それで、犬種といいますか、その---」
佐「(黒い方を指して)これはボーダーっぽいです、これを見てボーダーっぽいという人は少ないですけど、だいたいこっちは(白黒の方)ボーダーっぽいですけどね,毛が短いのでね。
水「いい子だね、お利口さんで、(頭を撫でる)」
佐「これ(黒い方)作業犬の血統なんですよ、羊を追うんですよ。」
水「そうなんだ、でも、だいぶいいお年になっているのね」
佐「十二才で(白黒の方を指して)それから、こっち八つです。あっ、年をばらしたから逃げ出した(白黒、逃げる)」
水「あっ、はっはっはっ(笑)何でも言うこと聞くんでしょ」
佐「うーん,何でもというわけじゃないけど、今、気取ってるので(犬がテレビ出演中で)猫かぶっているのかね、えっへっへっ」
水「ご自分で飼ってらっしゃる犬と、それから、佐良さんに訓練してくださいという犬と---、みんな----」
佐「ううん、そういうんじゃなくて、うちはあのー例えば、チータのブラックちゃん、トレーニングしてみたいなということであれば、いらしていただいてトレーニングの方法を飼い主さんに教えているの。」
水「あっそうなんだ」
佐「そうでないと、ほら、うちへ帰っちゃったら、でれーっとかなっちゃってどうしようもないでしょ(笑)」
水「そうよね、こういうふうに行ったらいいですよ、ということを教えてくれるのね。」
佐「うーん、だからやっぱり、家でね、どのように家族の一員として過ごすかということとか
----,いろいろ、その他に競技犬とかありますけど---」
水「まあ;皆さんがお連れになってきても、この子はって子もいますか?」
佐「うーん、一番困るのは無趣味な犬、例えば食べ物が好きだとか、おもちゃが好きだとか、それさえ見せればみたいな事を---、これ(黒い方)なんかおもちゃさえ見せれば、もうすごいことになっちゃうけど---」
水「うれしい---」
佐「これは(白黒の方)、もう食べ物でしょ、ところがおもちゃもまぁー、食べ物も何もいらないわという犬、非常にとっかかりなくてやりにくいですよね、非常に難しいですよね。」
水「でも、今日はね、どうしてもこういうかわいいワンちゃんを見てみたかったですよ、こんなに行儀がいいとは思ってみなかったですから」
佐「いえいえ、外に行けば---」
水「いや、言うことをちゃんと聞いて---」
佐「いやいや、うちではステテコおじさんみたいですよ(笑)」
水「はっはっはっ---、あなた、昔からやさしい、だって、いっしょにね、思い出すけどパリに行った時も、どうしてもかわいいワンちゃんが欲しくて、すぐ帰れるのに遠回りして帰ったの今でも覚えてますよ。」
佐「ほんと、そんなことしました、ご迷惑おかけして---」
水「とんでもない、とんでもない。本当に動物を可愛がってんだな、とその時思いました。」
佐「あの時もね、話、長くなりなすからやめときますけど、とにかく、そのペットショップ入ったんですよ、パリで。そしたらもう、あなた何人、日本人といっただけで、もう、それこそ、時代劇だったら波の花(塩のこと)もっといでという感じで追い出されそうになったの、でも、ちょうど自分のところの犬といっしょに写っている写真とか持ってて、それを見せたら、ごめんなさい全部の日本人が動物虐待じゃないのねって言われて---。当時ですからね」
水「そうね、今だったら、そんなことは---、そういう時代だったですからね、40数年前ですよ」。
佐「そんなに、私、まだ、こないだ35になったばかりだと思っていたのに(笑)チータも同じ年だったね。」
水「大丈夫かな---、同い年だからね、同級生だもんね」
佐「同級生でも、私の方が,一級上なんです。」
水「でも、まぁ、だいたい同じじゃないですか。」
佐「そう、まぁね」
水「まぁ、紅白からいえば、もっとですけど、ありがとうからいえば40数年なんですよ。ありがとうで何からずーと覚えているんですよ、ご一緒した一番最初からいましたからね。覚えていること、その中で一番印象深いシーンって何かありますか?」
佐「うーん、私ですか、あのね、普通にできたことは覚えてないんですよ。すごいNG出した時とか。
水「そんなことなかったですよ」
佐「いやー、石坂さんとね、私がね、あれは何だったっけ、警察のありがとうの時に、チータの恋敵だったんですよ、石坂さんをめぐって---」
水「ええ」
佐「それでね、蛍籠を持ってね、石坂さんと浴衣着てね、石坂さんとデートじゃないですけど、何かお話するとこがあって。そしたら、ものすごい長い台詞で---」
水「ふんふん」
佐「ちょうど私、大阪から帰ってくる途中に台本もらって、へぇーとも、息を呑んだわ」
水「そう」
佐「それでもう、ひっちゃきで覚えて入ったんですよ。夜中一時とか二時とか。それでそうしたらねやっと覚えた台詞をね、蛍をつけたり消したりしなきゃならないわけ、そのつけたり消したりしているうちに全部いなくなっちゃうのよ」
水「わかる」
佐「9回かなんかNG出したわ、もう、石坂さんにすいませんって」
水「一緒の時って---、違うシーンだったからね、でも、お兄さんが児玉さんで、新(あたらし)さんが----」
佐「それは焼き鳥屋」
水「わかってますよ」
佐「魚屋さん」
水「わかってる三作目。二作目は看護婦さんの役で、あの、どこからか、お出になってきてね、直美ちゃんが来て、とっても偉い先生だという設定でしたよ。」
佐「新米の医者でしょ。」
水「新米でもなかったんだけど」
佐「いえ、新米なんですよ。」
水「私はその下で頑張ってる役でしたけど---」
佐「看護婦さん---」
水「まぁ---、そうでしたよ。あの時は楽しかったですね。」
佐「楽しかったね。だけどね、私あの時ね、宮川十七子というお医者さんでね、それでね、すごい大食いの役で、お昼の休憩、何も取れなかったの、午後から食べるシーンがあるというと。だって、カメリハ(カメラリハーサル)で食べるでしょ、ランスクルーで食べるでしょ、本番で食べるでしょ、それから誰かNG出したらもう一回食べるでしょ、お昼食べてたら、とてもじゃないけどダメだ。それで、はぁーと言ったら、スカートのボタンがボーンと飛ぶシーンとか。それにどこ行っても頼みもしないものが出てくるわけ、すいません、これ頼んでないんですけどといったの、いいから、いいから気にしないで、あんた大食いなんだからって言われて---」
水「そう言うイメージが」
佐「そう、だから、私、実は小食なんですと言って。信じられないといって、テレビでいっぱい食べてるからといって---(笑)」
水「そうですか、やっぱり、直美ちゃんと一緒にね---、あのー紅白もそうです、司会する時は応援団長です、常に一緒に、ありがとうでも一緒でした。あなたほど、私に近い人はいないと思っています。」
佐「ありがとうございます。さっきも向こうの人に言ってませんでした。(笑)」
水「言ってませんよ。何を言ってんですか。ありがとうの話が出ましたけど、何か一曲リクエストいただくんですよ---」
佐「そりゃ、ありがとうですよ」
水「そうですね」
佐「さわやかに、チャン,チャンですよ。
水「チャン、チャン。それじゃ、そのありがとうを聞いていただきます。

 二人でありがとうをデュエット。

水「今日はね、こういうように(犬を)連れてきていただいてうれしいです。これからも、仲良くしてください,佐良直美さんでした。」
佐「ぜひ、こちらこそよろしく。」

 握手をしてお別れ。


# by nogi203 | 2015-02-10 14:31 | ドラマ ありがとう

フリージャーナリストは必要か。

 報道機関の役目は報道することである。報道するためには、取材しなければならず、取材するためには雇用する従業員を現場に派遣しなければならない。現場は国内、国外を問わない。国外は危険地域であるか否かも問わない。従業員は命令に従わねばならず、拒否すれば、服務規律に違反することになる、というのが労働契約というものであろう。
 しかし、労働契約には労働に対し賃金を支払う義務とともに、労働者の安全に配慮する義務も含まれている。近年、その義務に対する責任は重く、違反に対して巨額の損害賠償を請求されることが多くなっている。過労死事件はその典型であり、賠償額は数千万円、場合によっては億単位になることもある。
 危険地域に従業員を派遣したとしても、安全配慮義務という点に関しては何の変わりもない。相応の責任を免れることはないのである。という状況を鑑みれば、報道機関としては、安易に従業員を危険な現場に派遣することに躊躇せざるを得ない。そこに、自己責任で現場に行くというフリージャーナリストなるものが存在すれば、報道機関としては利用したくなる。自己責任で行くというのであるから、報道機関には安全に配慮する義務もなく、賠償という問題も生じる恐れもない。提供される映像、記事には相応の報酬を払わなくてはならないが、安全配慮義務違反に基づく賠償額に比べれば僅かなものという認識ではないのか。
 今回の後藤健二さんの場合、そうした状況が招いた悲劇と言うしかないが、これで、フリージャーナリストによる取材活動が後退するとも思えない。世界の報道機関の中には、ジャーナリストの被害が増大していることから、それらの映像や記事を購入しないようにする動きもあるように聞くが、そのような取り決めが守られるとも思えない。なぜなら、根本的に報道機関には従業員に対する安全配慮義務があり、その違反に対しては損害賞責任を負わなければならず、その額が巨額であるからだ。本当に、フリージャーナリストの活動を止めようとするならば、安全配慮義務違反に対する賠償額を少額にするしかない。遺族に対する賠償額が10万円、20万円で済むなどということになれば、報道機関はスタジオでニュース解説をしている解説員を危険現場に派遣することに躊躇はしないであろう。要するに、あの人たちは労働契約における安全配慮義務に守られているのだ。もっとも、安全配慮義務違反が今以上に軽くなることはないであろうから、安心してニュース解説を続けられであろうが。

# by nogi203 | 2015-02-05 14:19 | 労働基準法の穴