日々の出来事から、思ったこと、感じたことを綴らせてもらいます。
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福田新首相の年金受給額。

 福田新首相は丸善石油(現.コスモ石油)に勤めていた期間が17年7ヶ月(59.4~76.10,211ヶ月)、父の福田赳夫衆議院議員の公設秘書及び首相秘書官として勤めていた期間が13年3ヶ月(76.11~90.2,159ヶ月)ある。これは厚生年金保険加入期間及び国家公務員共済組合期間が合計30年10ヶ月(370ヶ月)あるということである。国会議員になられてから3年1ヶ月(37ヶ月)の国民年金保険料の未納期間があったことで官房長官を辞任されたが,厚年、共済両期間の加入年数をみれば、年金受給資格については何の問題もない。既に年齢は71歳、年金支給開始年齢には到達している。受給資格を満たしているのであるから,当然、今も年金を受けているわけである。では、いったい、福田新首相はいくら年金をもらっているのであろうか。その計算にはまず、生年月日である。
 生年月日は1936年(S.11)7月16日であるから、年金加入可能期間は35年(420ヶ月)である。35年間保険料を納めれば老齢基礎年金を満額受給できるのである。
 国民年金が始まったのは1961年(S.36)4月であるから、福田新首相が基礎年金の算定を受けることになるのは丸善石油に在籍中の24歳9ヶ月の時からになる。それまでの早稲田大学在学中はまだ国民年制度そのものが始まったいなかったのであるから未納問題などは起こるはずもない。
 しかし,24歳9ヶ月の時から算定されるとなると、60歳までは35年3ヶ月保険料を払うことになる。35年間の納付で基礎年金を満額受け取れるのであるから,これは納めすぎていることになる。この分が返してくれるかというと返してくれない。ただ、福田新首相は後年、保険料未納期間が発覚し、本来なら、その期間分が基礎年算定額から除かれることになるが、納めすぎていた期間(3ヶ月)と調整される可能性がある。そうなると、その計算式及び受給額は、次のようになる。

 792,100円×{420-(37-3)}/420=727,978円

 これに2階部分の老齢厚生年金、退職共済年金が加わる。計算式は共に同じである。しかし、福田新首相が支給開始年齢に到達したのは1996年(H.6)7月であり、H.12年の給付額の5%減額やH.15年の総報酬制導入の前であるから、計算式及び給付乗率はそれ以前の計算式及び給付乗率で行うことになる。計算式は次ぎの通り。

 平均標準報酬月額×8.62/1000×被保険者期間×1.031×0.985

 ここで問題は平均標準報酬月額であるが、これは福田新首相本人がもらっていた給料に基づいて算出されるものであるから、ここでは推測するしかない。そしてそれを、丸善石油時代が30万円、公設秘書時代が40万円と仮定すると、算出額は次のようになる。

 300,000円×8.62/1000×211×1.031×0.985=554,123円
 400,000円×8.62/1000×159×1.031×0.985=556、749円
 554、123円+556、749円=1、110、872円

 この他、3階部分としてそれぞれ厚生年金基金、職域年金相当部分があるが、丸善石油が厚生年金基金を実施していたかどうかはここでは分からないので、一応、実施していなかったとみなす。しかし、職域年金相当部分については国家公務員共済なら当然、実施しているから、その額を加えなければならない。計算式は次ぎの通りであるが、福田新首相は組合員期間が20年未満であるから、給付乗率は0.542/1000となる。

 400,000×0.542/1000×159×1.031×0.985=35,007円

 以上3つを合計すれば福田新首相の年金受給額となるのであるが、もう一つ加えなければならないものがある。60歳代前半で受給する特別支給の老齢厚生年金及び退職共済年金における定額部分と、60歳代後半から受給する老齢基礎年金との間に差額がある場合の経過的加算である。定額部分の計算式は次ぎの通りであるから、算出額が老齢基礎年金より多ければ差額が老齢基礎年金に加算されて支給されることになる。

 1676円×1.369×(211+159)×0.985=836,210円

 老齢基礎年金の額が658,197円であるから

 836,210円-727、978円=108,232円が経過的加算となる。

 とすると、福田新首相の年金受給額の総額は

 727,978+1,110,872+35,007+108,232=1,982,089≒1,982,100円

 ということになる。
 なお、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいた場合、加給年金及び特別加算が支給されるが、これは単一の保険制度に20年以上加入していなければ受給資格がないものであり、厚生年金保険で17年7ヶ月、国家公務員共済で13年3ヶ月の福田新首相にはその資格はないことになる。福田新首相の生年月日では、加給年金は227、900円、特別加算は33,600円、合計261、500円となるが、あと厚生年金保険に2年5ヶ月加入期間があればこれだけもらえたのであるから、惜しいことをしたものだ。

 以上であるが、もちろん議員年金についてはこれとは別である。
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by nogi203 | 2007-09-27 14:47 | 年金話あれこれ

労働契約法制の話をもう一つ。

 労働基準法上の労働者が労働契約法制の対象となるのは当然のことであるが,労働契約法制では労働基準法上の労働者以外のものについても、その対象とする。それは、主に,テレワークやSOHO、在宅就業者などを対象としているらしいが、その要件を見ると芸能人にも適用される余地が十分にある。
 では芸能人の労働者性の判断に付いてはどのような基準があるのか。それについては、旧労働省の通達がある。次のようなものである。
 1、当人の提供する歌唱、演技等が基本的に他人によって代替できず、芸術性、人気等当人の個性が重要な要素となっていること。
 2、当人に対する報酬は稼働時間に応じて定められているものではないこと。
 3、リハーサル、出演時間等スケジュールの関係から時間が制約されることはあっても、プロダクション等の関係では時間的に拘束されることはないこと。
 4、契約形態が雇用契約ではないこと。
 いずれにも該当する場合には労働基準法9条の労働者ではない(S,63,7,30 基収355号)。逆にいえば、どれか一つでも該当していれば労働者ということになる。
 そこで、労働契約法制に見る労働基準法上の労働者以外の労働者の要件であるが、次のようになっている。
 1、個人であること。
 2、請負契約、委任契約その他これらに類する契約に基づき役務を提供すること。
 3、当該役務の提供を本人以外の者が行うことを予定しないこと。
 4、その代償として金銭上の利益を受けること。
 5、収入の大部分を特定の者との継続的な契約から得、それにより生活する者であること。
 これらの要件をすべて満たさなけれ保護を受けられないのであるが、そうすると、例えば専属契約の芸能人などは、この要件を十分満たせる可能性がある。
 この法律は値引きの強要や一方的な仕事の打ち切りなどがあった場合、保護の対象とするらしいが、そうなると、芸能人の場合などは、仕事を干されるなどという場合は十分保護の対象となりうる。それは従来ならば、業界の有力者に仲介に入ってもらい、正常な関係に戻すいうのが通常のルールであったものが、法律を根拠として仲介に入れる立場の者が登場するということであり、業界の力関係にも影響を与えかねないものである。
 芸能人の一方的契約の打ち切りといえば,最近では極楽とんぼの山本圭壱やモーニング娘の加護亜衣ちゃんの例があり,古いところでは横山やすしや田代まさしの例があるが,この法律が成立すると,あのようなことができにくくなるのではないか。
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by nogi203 | 2007-09-19 15:43 | 労働基準法の穴

労働契約法制の成立へ。

 安倍首相は辞職を表明したが、安倍首相が辞めようが辞めまいが労働契約法制の成立には何の関係もない。どの政党の誰が首相になろうが、必要な法律であるからだ。

 労働契約における労使は対等である。しかし、現実には交渉力や情報力に格差がある。その格差を埋めるものが労働者の団結力である。しかしそれは、終身雇用制が揺るぎなく存在し,採用制度も新卒採用が大半であり,賃金も年功制が確固としていた頃までのことである。今日のように終身雇用制が崩れ,採用制度においても新卒、中途採用が混合し、就業形態もパート、派遣、アルバイト、契約社員、在宅勤務などと多様化,個別化し,賃金までも成果主義になると、もはや画一的、集団的に労働条件の改善を要求する労働組合の活動では期待がもてない。それに労働組合そのものの組織率も低下している。
 となれば、そのように形態が多様化、個別化した労働契約に対応した労働者保護のための新しい法律が必要となってくる。それは、もちろん労使対等を原則とし、市民社会の大原則である契約自由の原則を尊重し,なおかつ、労使が自主的に決めたものでなくてはならない。自主的に決めたものであるから法令違反で罰することはできず、だからこそ未然に紛争を防止できるよう予測可能性を高めた内容であることを求められる。
 というようなことを前提とする法律であるから,その内容はどうしても労働者側に傾いた内容とならざるをえない。実際、内容を見てみると,、労働者側有利であることは明らかである。それを列挙してみると、
 ①就業規則の変更は従来では使用者に権利があり,義務としては労働者の過半数代表者の意見を聴く事、行政官庁への届け出であったが、新しい契約法では過半数代表者の意見を聴く という部分を労使委員会の意見を聴くことによって、合理性を推定できるものとして労使委員会の常設化を促進させようとしている。
 ②採用内定の取り消しについては、留保付解雇権の行使は合理的内容のあるものに限られ,あらかじめ知ることができた事由による内定取り消しは無効になることになっている。
 ③変更解約告知に代わるものとして雇用継続型契約変更制度などという制度を設け、使用者の解雇権濫用を封じている。
 ④使用者の勧奨による退職の意思表明は、一定期間内なら撤回できると言うクーリングオフのような制度も提唱している。
 ⑤解雇に於ける金銭的解決制度では、使用者から申し出た場合、労働者から申し出た場合より多額の金額を支払わなくてはならないという規定もある。
 ⑥有期労働契約を労働者から解除した場合,損害賠償を行なうか行なわないかは、やむをえない理由を立証できるか否かによるが、その立証責任を使用者に転換するという規定もある。
 ⑦出向については、従来は包括同意で足りるとされていたが、契約法では就業規則や労働協約等による包括的同意では十分ではないとされている。
 ⑧転籍についても個別同意は書面によらねばならず、書面による明示がなければ転籍そのものが無効であるとしている。
 ⑨配置転換については、特に転居を伴うものについては就業規則の必要記載事項として将来の紛争防止に配慮している。
 ⑩労働条件の明示については、労働契約締結の際の労働条件が実際と違っていた場合,従来は労働者は即座に労働契約を解除できるだけであったが、契約法では労働契約締結時の労働条件を主張できるようになっている。
 ⑪懲戒処分については労働者に大きな不利益を与えるものは書面によらなければならず、書面がなければ無効であるとしている。

 契約法にみえる労働者有利の規定は主に以上のようなものであるが,審議会において、経営者側の委員がこうした内容をそのまま受け入れるとは考えにくい。当然、抵抗するであろうが、時代の流れから見て,どこまでも抵抗できるものでないことは明らかである。となれば、どこがで妥協せざるをえないが,妥協するとすれば,何らかの譲歩を引きずり出したい。譲歩とは見返りである。経営者側は何を見返りに求めてくるか。予想されるものは、労働時間制度に係わるものである。例えば,裁量労働時間制の一層の緩和とか、あるいは、一度は消えたはずのホワイトカラー・エクゼンプションの導入などではないか。
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by nogi203 | 2007-09-13 14:46 | 労働基準法の穴

遠藤農水大臣の辞任。

 安倍改造内閣で農水大臣に就任したばかりの遠藤武彦農水大臣が辞任した。辞任の原因の一つに自ら組合長を務めていた農業共済組合が国から補助金を不正受給していたという問題がある。このことは既に三年前、会計検査院が把握していたということであり、その事実が官邸に伝わっていれば遠藤議員が農水大臣に任命するなどということはなかったはずである。肝心な情報が官邸に伝わっていなかったということである。
 情報が官邸に伝わっていなかったということについては小泉政権時代にもあった。そのことは、このブログにも書いたが(2005,8,19)、今一度改めて書いておく。
 2005年8月4日発行の小泉内閣メールマガジン199号によると、小泉首相が東京虎ノ門の交差点にある立坑(たてこう)を視察したことが書かれている。その視察で小泉首相はトンネルの中では女性は作業できないという法律の制限(労働基準法64条の4、坑内労働の禁止)があることを知って驚き,さっそく法律の改正を検討するよう指示したという。
 ところが、この「女性の坑内労働」については既に、前年の2004年12月より厚生労働省において「女性の坑内労働に係わる専門家会議」というものが開催されて、その報告書が2005年7月4日に出されていた。
 報告書が出されたのが2005年7月4日であり、小泉首相が視察をして労基法改正を検討するよう指示したのが2005年8月に入ってからだとすると、この報告書は小泉首相に届いていなかったということになる。情報が官邸に伝わっていなかったのである。
 この件では特に、政権を揺るがすという事態にはならなかったが、こうした事実があったというのであれば、官邸への情報伝達について、何らかの危機感を持っておくべきではなかったか。その結果であるとは言いきれないが,いずれにしても、今回恐れていたことが発生したのである。そうしたことからみると、今回のようなことはまだまだある、と見るべきではあるまいか。
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by nogi203 | 2007-09-04 10:43 | 労働基準法の穴