日々の出来事から、思ったこと、感じたことを綴らせてもらいます。
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カテゴリ:労働基準法の穴( 71 )

フリージャーナリストは必要か。

 報道機関の役目は報道することである。報道するためには、取材しなければならず、取材するためには雇用する従業員を現場に派遣しなければならない。現場は国内、国外を問わない。国外は危険地域であるか否かも問わない。従業員は命令に従わねばならず、拒否すれば、服務規律に違反することになる、というのが労働契約というものであろう。
 しかし、労働契約には労働に対し賃金を支払う義務とともに、労働者の安全に配慮する義務も含まれている。近年、その義務に対する責任は重く、違反に対して巨額の損害賠償を請求されることが多くなっている。過労死事件はその典型であり、賠償額は数千万円、場合によっては億単位になることもある。
 危険地域に従業員を派遣したとしても、安全配慮義務という点に関しては何の変わりもない。相応の責任を免れることはないのである。という状況を鑑みれば、報道機関としては、安易に従業員を危険な現場に派遣することに躊躇せざるを得ない。そこに、自己責任で現場に行くというフリージャーナリストなるものが存在すれば、報道機関としては利用したくなる。自己責任で行くというのであるから、報道機関には安全に配慮する義務もなく、賠償という問題も生じる恐れもない。提供される映像、記事には相応の報酬を払わなくてはならないが、安全配慮義務違反に基づく賠償額に比べれば僅かなものという認識ではないのか。
 今回の後藤健二さんの場合、そうした状況が招いた悲劇と言うしかないが、これで、フリージャーナリストによる取材活動が後退するとも思えない。世界の報道機関の中には、ジャーナリストの被害が増大していることから、それらの映像や記事を購入しないようにする動きもあるように聞くが、そのような取り決めが守られるとも思えない。なぜなら、根本的に報道機関には従業員に対する安全配慮義務があり、その違反に対しては損害賞責任を負わなければならず、その額が巨額であるからだ。本当に、フリージャーナリストの活動を止めようとするならば、安全配慮義務違反に対する賠償額を少額にするしかない。遺族に対する賠償額が10万円、20万円で済むなどということになれば、報道機関はスタジオでニュース解説をしている解説員を危険現場に派遣することに躊躇はしないであろう。要するに、あの人たちは労働契約における安全配慮義務に守られているのだ。もっとも、安全配慮義務違反が今以上に軽くなることはないであろうから、安心してニュース解説を続けられであろうが。

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by nogi203 | 2015-02-05 14:19 | 労働基準法の穴

社会通念上の是認。

 北星学園という大学が非常勤講師を辞めさせるべきかどうかで揺れてる。非常勤講師とは慰安婦報道に関わった元朝日新聞の記者である。辞めさせないと、爆弾を仕掛ける、学生を痛めつけるなどという脅迫を受けていて、大学側はその圧力に動揺しているということであろう。
 辞めさせるとは、解雇するということであろう。労働契約上、解雇は一定の解雇制限を除いて、解雇予告をする、もしくは解雇手当を払えば、行うことができるということに法律上はなっている。しかし、それでは労働者保護は果たされない。そこで、解雇権濫用法理というものを適用して、使用者の一方的権利行使に制限をかける、というのが労働者保護の理念である。
 解雇権濫用法理はいま、労働契約法16条に条文化されている。
「解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする。」
 この条文に照らし、北星学園大学の非常勤講師問題を考えてみると、社会通念上相当という点において、該当しないことは容易に理解できる。だから、解雇はしても、訴えられば、解雇無効の判決が出ることは間違いない。そのようなことになれば、裁判期間中の給与支払い義務は免れず、余計なコスト負担が増えるだけである。自主的に退職してもらうのを待つ、というのが大学側の切なる願いということになろうか。
 解雇をめぐる社会通念上の問題といえば、もう一つ。日本テレビのアナウンサー採用で内定通知をもらった女性が、銀座のクラブでホステスをしていたことと理由に内定通知を取り消されるという問題が起こっている。内定通知も一定の要件を満たせば労働契約が成立したと解されることになっているので、それが取り消されるについては解雇権濫用法理が適用されることになる。ただ、内定通知を出した時点で、会社側が知ることができず、また知ることが期待できないような事実が生じた場合はその限りではないというのが判例上の解釈となっている。
 日本テレビとしては、銀座のクラブでホステスをしていたことは、高度の清廉性が求められるテレビのアナウンサーとしては社会通念上ふさわしくなく、内定通知時点で知らなかったことでもあるので、解釈どうりなら取り消しは問題なしとしたいのであろう。しかし、女性は納得しなかった。そこで、争うことになったのであるが、その場合、問題は争点である。日本テレビが高度の清廉性などというのであれば、銀座のホステス歴が社会通念上いかに評価すべきであるかが問題となろう。女性はホステスは母親の知り合いのクラブでアルバイト程度に行っていただけと主張しているが、それをどう評価するかも裁判官自身の社会通念次第ということになるのであろう。

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by nogi203 | 2014-12-02 14:01 | 労働基準法の穴

勤務環境改善、できるか?

 牛丼チェーン「すき屋」の勤務環境が問題となっている。チェーン店の一部が休業状態になっているのはその勤務環境に問題があり、従業員が不足するのもそれが原因があるということである。「すき屋」は自ら第三者委員会を立ち上げ、その報告書が先日公表された。報告書で指摘された労基法違反は以下のとおりである。
 34条休憩 35条休日 36条時間外労働 37条割増賃金 41条管理者適用除外 24条賃金全額払い 32条労働時間 61条深夜労働 などであるが、報告書には記載されていないがそのほかにも疑わしいのは 第2条第2項労働条件の決定 労働者及び使用者は労働協約、就業規則及び労働契約を順守し誠実にその義務を履行しなければならないという点と、第5条強制労働の禁止(家に2週間も帰れないなどというのはこれに該当するのではないか)である。以上は労基法違反であるが、労働安全衛生法についてもいくつかの違反を指摘されている。
 報告書は以上の点を指摘した上で、早急に勤務環境を改善するように勧告しているのであるが、勤務環境の改善ということでは医療機関も同様の問題を抱えている。医療機関においては医師の偏在化、勤務医の過重労働、看護職員の不足など様々な問題を抱え、その原因として勤務環境の悪化があると分析されている。そこで、厚生労働省はこれまでの労基法中心の監視的な部分だけでなく、事業主の自主的な勤務環境改善努力を促そうとしている。ただ自主的と言っても医療関係者にとって労務管理は専門外である。そこで、厚労省はガイドラインを作成し、さらにその取り組みをバックアップするために医療環境改善支援センターなるものを各都道府県に設置することを改正医療法で定め、そこでのアドバイザーとして社労士を配置することにした。
 このことは、自らの勤務環境を自らの力で改善することは期待できない、外部からの力を借りなければ無理であると、言っているようなものである。まぁ、そのとおりであろう。
 ということを踏まえて、「すき屋」の社長の会見での発言である。社長は辞任する考えはない、問題を解決することが私の責任である、と語っている。この発言の意味が、勤務環境の改善は自分が主導して行う、もしくは外部の力を借りるとしても、自分の主導に従ってもらう、というような意味であるとすれば、「すき屋」の勤務環境の改善は期待できない、成功体験があるだけになおさら期待できない、と言っておこう。

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by nogi203 | 2014-08-05 13:38 | 労働基準法の穴

芸能人は労働者か。

 前回、芸能人と労働者には法律上保護の違いがあると書いた。しかし、それも芸能人に労働者性が認められるのであれば、何ら問題なく労働者としての保護が受けられることになる。とすれば、芸能人に労働者性が認められるための要件は何か、ということが問題になる。
 一般に、労働者性を判断する基準は、使用者との間に従属性があるか否かである。では、芸能人の場合、使用者との従属性を判断する基準は何かということである。芸能人という職業の特殊性から、それは出演依頼対する諾否の自由、演技指導の程度、スタジオ、ロケ現場など勤務場所の拘束性、出演者への代替性の有無などが判断の基準とされている。(労働基準法研究会報告書)
 そこで考えてみたいのは、昨年バラエティー番組の収録中に重傷を負い、療養及びタレント活動の休業を余儀なくされたお笑いタレントのスギちゃんの場合である。あの場合、例えば、テレビ局の職員などが同じ番組収録中に事故にあったのであれば、間違いなく労災が適用される。しかしスギちゃんは芸能人であり、即、労災適用とはならない。改めて、スギちゃんの労働者性を判断しなければならないのである。
 判断の基準は諾否の自由、演技指導、拘束性、代替性などである。ここで、問題になるのは昨年のスギちゃんの活躍度合である。昨年、スギちゃんはお笑いタレントして大ブレークし、ワイルドだぜという言葉が流行語大賞を獲得するほどであった。そのブレーク以前ならば、出演依頼に対し出る出ないの選択肢はなかったであろう、つまり諾否の自由はなかったであろうし、演技指導にスギちゃん自身の裁量権もなかったであろう、代役を出したとしても所属事務所が局側から苦情を申し立てられることもなかったであろう。つまり、労働者性を判断する基準に照らしてみて、労働者に該当するという判断が可能であったとみなしうる。労働者とみなされれば、労働者として労災が適用され、療養補償給付、そして休業補償給付を請求することができる。それが、たまたま大ブレークした後のことであるがために、判断が微妙になった、ということである。もっとも、その後、事故に関し、労災適用云々の話は聞かないが、芸能人の番組収録中の事故はたびたび発生している。問題視する価値はあるのではないか。
 なお、労災における療養補償給付の請求時効は療養に要する費用を払った日の翌日から2年、休業補償給付は休業の日ごとにその翌日から2年である。
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by nogi203 | 2013-05-27 13:52 | 労働基準法の穴

寝坊して。

 田島優成という俳優の所属事務所との契約が更新されなかったそうである。田島優成とは寝坊して舞台公演を中止させてしまった俳優である。
 俳優の所属事務所との契約が更新されないというのは、労働者でいえば、雇用契約が更新されないことであり、解雇もしくは雇止めに相当する。寝坊などと軽く見てはいけないのは今回の事例でも明らかになったが、実際、寝坊が原因で解雇されそうになったアナウンサーの例がある。そのアナウンサーは解雇無効を訴え、結局、最高裁にまで行くことになる。(高知放送事件、昭和52年1月31日)
 アナウンサーは翌日午前6時の定時ラジオニュースを読むため、前日から宿直勤務をしていたが、寝坊して放送することができなかった。さらに、その2週間後また翌日午前6時の定時ラジオニュースを読むため宿直勤務をしていたが、またもや寝坊して放送することができなかった。しかも、そのことを上司に報告していなかった。さすがに会社も処分せざるを得ず、アナウンサーを解雇することにする。本来なら、懲戒解雇に相当するところであるが、将来を考慮して普通解雇にした、という事例であった。しかし、アナウンサーはこの処分に不満であり、解雇権の乱用であるとして解雇の無効を訴えることになる。最初の事件があったのが昭和42年2月22日、そして最高裁の判決が出たのが昭和52年1月31日、実に10年に及ぶ戦いであった。
 判決内容はアナウンサーの訴えを認め、解雇は無効となった。その理由は同じ宿直勤務していた、アナンサーの起こし役担当者が同じく寝坊して処分されているが、その処分がけん責処分に留まっているのに対し、アナウンサーへの処分はいささか過酷であり、社会的に相当なものとして是認できないというものであった。
 今回の田島優成の件をこの高知放送事件に当てはめて考えてみる。高知放送事件は同じ失敗を2度繰り返した結果下された処分であるのに対し、田島優成の場合、初めての失敗である。2回の失敗に対する処分に対して訴えて勝利したのであるから、1回目の失敗に対する処分であるから、訴えればもしやという可能性もあったかもしれない。もっとも、主催者側に与えた被害(チケット代の払い戻し、観客への交通費負担)の大きさ、さらには、芸能人と労働者との法律上の保護の違いなどからすれば、契約更新拒否という処分はやむを得ないか。
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by nogi203 | 2013-05-10 14:27 | 労働基準法の穴

高速バス衝突。

 公共事業が行われるとする。どの業者に発注するかは競争入札による。もっとも低い価格で入札した業者が落札することになる。それが基本的なルールである。談合があれば、その基本的なルールが崩れることになる。しかし、談合がなくても基本的なルールに歪みが生ずることがある。格別に低い価格で入札する業者が現れた場合である。他の業者としては、そのような業者と競争していては採算が取れない、仕方なく入札を見送るということになる。かくして格別に低い価格で入札した業者が落札することになる。そこで問題は、なぜ、そのような低い価格で入札できるのか、である。
 理由はすでに分かっている。労務コストを不当に低く抑えているのである。不当とは、労働法規以下の労働条件で労働者を使用していることである。低い賃金、長い労働時間、社会保険の未加入などなどである。その被害はすべて労働者に集まることになる。かくして、官製ワーキングプアといわれる人々が生まれることになる。
 今回、関越自動車道で高速バスによる大きな事故が起こった。この事故が起こった原因をみると、公共事業とその入札を巡る業者との関係に類似してるといえないか。仕事を発注するのは旅行会社である。発注された仕事を受注しようとするのはバス会社である。発注するという点で旅行会社と行政機関は同じ、受注するという点で業者とバス会社は同じ。そして、なんとか受注しようとして、低い価格で入札しなければならないのは、どちらも同じ。被害が労働者に及ぶことも同じ。その結果が悲惨なことになるのも同じ。公共事業と民間事業に違いはあるが、構図としてはほとんど同じである。
 では、どうするか。行政の対策は公共事業の入札に際し、入札業者の労働条件を審査し、合格した業者のみ入札に参加できるという方法である。それを条例で定めたものが公契約条例というものであり、すでに幾つかの自治体で成立している。もっとも、対象は公共事業の入札に限られるが、今回の事故を見ると、対象の範囲は民間の事業にも広げるべきではないかとも思える。
 ちなみに、労働条件審査は社労士の業務拡大につながるものとして、全国社会保険労務士政治連盟が多くの国会議員に法制化の働きかけを行っている。今回の事故はその追い風になるかもしれない。
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by nogi203 | 2012-05-01 16:08 | 労働基準法の穴

小林幸子騒動。

 退職金の支払いでもめている。
 小林幸子側は、当初、解任なので退職金などありません、と言っていた。しかし、解任でも退職金を不支給とするには、永年の功績を抹消するほどの重大な背信行為がなければならない。1987年の独立から25年間にわたり、個人事務所を支えてきた元社長に、それほどの重大な背信行為があったとは思えない。従って、退職金を全く不支給とするのは困難である。そこで、小林側は支払いはするが、「支払方法は2分割で、元社長が小林にとって何らかのネガティブな情報を週刊誌などに流す心配が解消されたときに、再び支払う」と言ってきた。この回答に元社長が自分の人間性が疑われたとして激怒した。かくして、退職金の支払いを巡るもめごとが大きくなってしまった。
 では、退職金の支払いに関して法律上の規定はあるのか、である。
 労働基準法23条(金品の返還)では、労働者の権利に属する金品は、名称の如何を問わず、退職後7日以内に返還しなければならない、と定められている。退職金はこの労働者の権利に属する金品に含まれるものと解されており、よって、退職後7日以内に支払わなければならないものとされている。しかし、退職後7日以内というのは、就業規則に支払い日の定めがない場合の話であり、支払い日が定められていれば、退職後7日以降に支払ってももよいことになっている。
 となると、小林幸子の個人事務所に就業規則があるかどうか、そしてその就業規則の中に退職手当についての定めがあるかどうかが問題となる。定めがあれば、2分割して、小林に何らかのネガティブな情報が週刊誌などの流す心配が解消された時に、再び支払っても問題はないであろう。だが、就業規則もなく、あったとしても退職手当についての定めがなかった場合、そのような支払い方法は認められず、退職後7日以内に支払わなくてはならないであろう。
 小林側の弁護士もそれぐらいのことは十分承知している。そのためかどうかわからないが、あえて退職金という言葉は使わず、慰労金という言葉を使っている。就業規則があり、その中に退職手当のことが定められているのであれば、堂々と退職金といえばよいではないか。そう言えないのは、小林幸子の個人事務所には就業規則そのものがなく、あったとしても退職手当のことが定められていないからではないのか。それはつまり、退職金といってしまえば、支払い日を定めて退職金を支払うということができなくなり、退職後7日以内に支払らわなくてはならなくなるということでもある。だからこそ、あえて慰労金などという言葉を使ったのかもしれないが、そんなことをしても何の意味もない。重要なのは言葉ではなく、実態である。実態が退職手当であるかぎり、この争いはどうみても、元社長側に有利とみなければなるまい。
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by nogi203 | 2012-04-12 15:08 | 労働基準法の穴

休業手当を支払うべきか。

 先日の暴風雨で、多くの企業は従業員を終業時間前に帰宅させた。去年の大震災の経験を踏まえての対応であった。そこで、問題は終業時間前に帰宅させた、ということである。帰宅させたということは、使用者が従業員を休業させたということになる。では、休業させたのであれば、休業手当の支払いはどうなるのか。
 休業手当は使用者の責に帰すべき事由による休業の場合に支払うべきものであり、その額は平均賃金の百分の六十以上である。(労働基準法第26条) 使用者の責というのは範囲が広く、以下のような場合も該当する。
 1、資材や資金の不足による休業。
 2、施設設備の故障による休業。
 3、行政処分による営業停止による休業。
 4、元請の都合により下請が休業せざる得ない場合の休業。
 5、生産調整による休業。

 なども使用者の責による休業とされ、使用者側は休業手当を支払わなければならない。この場合、判断の基準は休業になることを避けるため、社会通念上最善の努力をしたかどうかが判断の基準となるようである。
となると、天災事変の場合、社会通念上最善の努力を尽くしても避けることのできないものであることは明白であるから、休業手当の支払いは免れることになる。去年の大震災で被災した企業が休業手当の支払いを免れたのはまさに、その例である。
 では、今回の暴風雨による終業時間前の帰宅はどうなのか。暴風雨は天災事変であり、しかも規模も格別大きいものであった。帰宅させた企業が休業手当の支払いを免れたとしても不思議はない。しかし、天災事変による休業というものを考えてみた場合、当面の事業活動に大きな影響が及ぶものと想定されるのに対し、今回の暴風雨による終業時間前の帰宅という場合、当面の事業活動に大きな影響が出るものとは思えない。暴風雨は一過性のものであり、過ぎ去れば通常の事業活動に戻ることができる。とすると、必ずしも天災事変による休業とは言い切れず、しかも、帰宅させた理由が従業員の帰宅が困難になるからというのであると、判断は微妙なものとなるのではないか。もっとも、従業員のモチベーションということを考慮するならば、支払っておいた方が後々の労務管理にとって好都合であると思われる。もっとも、支払うといっても、その額は帰宅するまでの時間は労務を提供していたのであるから、平均賃金の百分の六十から、労務提供した時間に相当する時間分の賃金を差し引いた額でよいことになろう。
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by nogi203 | 2012-04-05 15:51 | 労働基準法の穴

小沢一郎、司法を批判。

 元秘書3人が有罪判決を受けた事件で、小沢一郎が司法を批判した。
 「証拠もないのに、裁判官が推測に基づいて有罪を決めるのは民主主義国家では考えられない」と。
 しかし、証拠もないのに裁判官が推測に基づいて有罪を決めるのは、以前からあったことで、今回が初めてでもなく、考えられないことでもない。
 例えば、労働者の労働時間を管理するのは使用者の責任であるが、管理していなかった場合、労働者が退職後、残業代の未払い分を請求する際、労働時間が管理されていないのであるから、タイムカード等の客観的証拠を提出することができない。そこで、労働者は在職中、自分がどのような勤務内容で、どのような働き方をしていたかを裁判官の前で述べることになる。それに対して、使用者が反証できないのでれあれば、裁判官は労働者が主張する外形に基づいて推認するしかない。そして、その推認に無理がなければ使用者に対して、未払い分の時間外手当としていくら支払えという判決を下すわけである。

 「具体的な就業時刻や従事した勤務内容が明らかでないことをもって、時間外労働の立証が全くなされないとして扱うのは相当ではない。」(ゴムノイナキ事件、大阪高裁、H.17.12.1)

 このように、推認に基づく判例がすでに存在しているのであるから、今回の元秘書に対する有罪判決も、驚くほどのことでもなく、また考えられないことでもない。小沢一郎が「びっくりした」というのであれば、それは単なる勉強不足で、おそらく労働判例も読んだことがないのであろう。
 小沢一郎が労働判例を読んことがないのではないか、ということについては、このブログでも H.21.12.16に1か月ルールという表題で書いたことがある。
 中国の習近平が天皇陛下との会見は1か月前に申請することというルールを破って会見を申し込んだことに対し、宮内庁長官が抗議した事件である。その時、小沢一郎はそのようなルールは法律で決まったことでもなんでもないといって、宮内庁長官の更迭をほのめかした。しかし、法律はなくとも、慣行として成立していれば、慣行は法的効力を持つということは、たびたび労働判例でも示されていることであり、小沢一郎が法律で決まったことでも何でもないなどというのは、労働判例を読んだことがないのではないか、と書いたのである。
 今回、3人の元秘書の有罪判決に対して、小沢一郎が示した反応を見るならば、その疑いは確信に変わった。即ち、小沢一郎は労働判例というものは読んだことはない、と。
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by nogi203 | 2011-10-03 15:17 | 労働基準法の穴

芦田愛菜ちゃん。

 芦田愛菜ちゃんが大人気である。連続ドラマやバラエティー番組などへの出演、その出演本数は相当数にのぼる。愛菜ちゃんは明日(6月23日)7歳になり、まだ小学校1年生である。しかし、愛菜ちゃんがいくら可愛くても、子役として演劇に出演する限り、労働基準法の適用を受ける。(労働基準法第56条) そのため、出演する場合には修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書及び親権者又は後見人の同意書を所轄労働基準署に提出の上、労働基準署長の許可を得なければならない。そして、その許可を貰う際の注意点として、以下のことが例示されている。

 1、児童は修学時間外においてのみ使用すること。
 2、児童の労働時間(演劇への出演時間だけでなく、稽古及び衣装替えの時間も含む)は修学時間   を通算して1日について7時間、1週間について40時間を超えてはならない。
 3、賃金は必ず児童本人に支払わなくてはならない。
 4、保護者による送迎が行われるように努めること。
 5、必要に応じて就労時間中に食事時間を与える等の配慮をすること。
 6、十分な睡眠時間が確保されるように努める等、児童の健康及び福祉に配慮すること。
  以上

 ここで問題となるのは、労働時間が1日7時間、1週40時間しか認められていないことである。そして、その労働時間は修学時間を含めてであるから、修学時間が1日4時間なら残りは3時間、週30時間ならば残りは10時間しかないことである。しかも、労働時間には稽古及び衣装替えの時間まで含まれるのであるから、本番での時間はかなり短いものになると想定しなければならない。これだけの時間内において、愛菜ちゃんの出演場面がすべて収録されるものかどうか、相当疑わしいと言わねばなるまい。
 児童の就労状況について学業又は健康に悪い影響を及ぼす恐れが生じた時は、まず学校において指導することになっていて、労働基準監督署がすぐさま干与はしないらしいが、それにも程度があるというものであろう。度が過ぎれば、行政指導ということも考えられるのではないか。
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by nogi203 | 2011-06-22 14:07 | 労働基準法の穴