ローマカソリック教会は、内部に司教、長老、執事という役割の分担された組織によって、成り立っている。この組織は地域的な活動にとどまらず、古代世界全体につながる活動網をもっている。いわば、当時のグローバルネットワークを備えていたといってもよかろう。その意味では、ローマ帝国を凌ぐ結合体であるということもできよう。
その実力は、欧州全体にわたる司教会議の開催を実現できるという点にも、象徴されているといえるのではなかろうか。
しかし、それ程、広範なネットワークを形成するには、単に組織力の強化というだけでは無理であろう。そのような統制力を持つには、やはり、組織を統括する絶対的な権威というものの存在が必要である。
という意味において、カソリック教会創設の時期において、ローマという地がパウロ、ペテロの殉教の地であったということは、重大な意味を持つ。、ローマという地の法王であるということは、特別な意味をもつことになる。
さらに又、旧約聖書に期限をもつ新約聖書をローマカソリック教会の手で作成したことは、教会の権威に一層の箔付けを行うことになったと解する。