日々の出来事から、思ったこと、感じたことを綴らせてもらいます。
by nogi203
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最低賃金法の改正。

 ワーキングプアが生まれるのは,賃金が低いからである。ならば、賃金を引き上げればいいのであるが、国が事業主に対して直接賃金を引き上げろとはいえない。賃金は労使が相対で決めるものであるからだ。賃金のことで国ができるのは、賃金の最低額を決めることだけである。しかし、賃金の最低額ならば、既に,全国都道府県において最低賃金というものが決められている。それでも、ワーキングプアが生まれるというのは,最低賃金額の決め方に問題があるか,決められても守られていないか、それとも、適用を外れている人達がいるからではないか。となると、それらの点を見なおすことによって、ワーキングプア問題は少しは解決できるのではないか、ということで今回最低賃金法が改正されることになった。
 まずは、決め方であるが,労働者の生計費と事業の支払能力を考慮することは、従来から定められていたが、改正法では,それに付け加えて,労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むという文言が入り,その具体的な基準として,生活保護に係わる施策との整合性が配慮されることになった。働いているものより生活保護を受けているものの方が収入が多いというのはおかしい話であるから、これは当然のことであろう。
 さらに、最低賃金の改正又は廃止に付いては、厚生労働大臣又は都道府県労働局長に権限があるのであるが,権限は持っているだけでは意味がない。ことに最低賃金に関する権限などについては、行使してこそ意味があるのであるから、必要ある時は、改正又は廃止の決定をしなければならないとして義務付けることにした。
 次ぎに、いくら改正しても,守らない事業主の出ることが予想されることから、罰則を強化することにした。最低賃金を守らないと,今までは2万円の罰金であってものが、50万円に引き上げられた。これは労働基準法24条違反の30万円よりも高い。その他,周知義務違反や報告の懈怠等、臨検拒否なども30万円とされ、従来の5000円より大幅にアップした。これでは事業主は安易に低賃金で労働者を働かせることはできないことは自明であろう。
 しかし、いくら低賃金で働かせていても,行政がそれを把握するのは容易なことではない。把握するには労働者の申告が求められるのであるが,労働者は不利益な取り扱いを恐れて、なかなか申告することをしない。従って、申告したことを理由として、不利益な取り扱いをしないという保護規定が必要なのであるが、今回の改正法ではその点がとくに厳しくなった。30万円以下の罰金というだけなら、金銭で済む話であるが,場合によっては6ヶ月以下の懲役になることもあるのであるから、事業主は今までのような安易な気持ちでは低賃金労働者を使うことはできない。
 最後に適用除外者の範囲に付いては、従来の所定労働時間の時に短い者,軽易な業務に従事するものその他の厚生労働省令で定める者という規定から,所定労働時間の特に短い者という規定がはずされた。1時間、2時間しか働いていない者でも最低賃金制度は適用されるのである。そのための補完として最低賃金は時間単位で決められることになった。違反すればもちろん罰則が加えられることになるのである。事業主としては細心の注意が必要になったということか。
 さて、国はこれだけの対策を整備したのであるが、これでワーキングプアの解消を目指すというのであれば,厳格にして、さらに根気強い行政指導が伴わなくては、とても成果は期待できないのではあるまいか。
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by nogi203 | 2008-04-29 11:13 | その他
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