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日々の出来事から、思ったこと、感じたことを綴らせてもらいます。
by nogi203
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さあ 世界史を語ろう。 第25回 イソクラテスの勧告

 アテネの民主制が徹底しているという噂が広がれば、亡命者はアテネへいけば何とかなると思って、アテネに集まってくる。民主制が徹底しているのであれば、兵役に就かないことも民意で決めることが出来る。となると、軍備は傭兵に頼らざるをえなくなる。
 かように、民主制の徹底化はさまざまな影響が出てくる。貧しい者も、豊かな者も市民としてその意思を尊重しなければならないのであるから、なかなか統一した意見というものをまとめる事が出来ない。
 そうこうするうちに、アテネの市民社会は、もうそれぞれに勝手な権利を主張しあう社会となり、共同体としてのまとまりを失ってくる。こうした情況下で、イソクラテスとデモステネスの対照的な意見対立が生まれてくる。
 イソクラテスはもはや、アテネ社会の内部からアテネを改革することは不可能と分析し、第三者による強圧的な統一さえ求めることを主張する。一方、デモステネスはあくまでアテネの伝統的な民主政治を守り抜くことを主張し、第三者の介入を強く拒絶する。
 結局、その争いはマケドニアのフィリップ二世がアテネ・テーベ軍を破り、ポリス社会にコリント同盟の盟主として、軍事を統帥し、民会の決議事項の執行権を握ることによって、イソクラテスの勝利に終わることになるが、それは他方、積年にわたるポリス社会の対外的脅威であるペルシャ帝国問題を解決する糸口にもつながっていく。
 即ち、イソクラテスがフィリップ二世に勧告したように、ペルシャに奪われたイオニアのポリスを奪還するため、ギリシャ軍を集めての軍事的遠征計画の実施である。それは同時に、ポリス内での傭兵問題、亡命者問題を解決するための方策でもあり、ギリシャ文化の拡大にもつながるという、未来への展望を持つ計画であったといえよう。
 そしてその計画は、フィリップ二世が暗殺に倒れたあと、アレキサンダー大王に引き継がれていくのであるから、イソクラテスの勧告はまさに、歴史を動かしたとも評価しうることになる。
by nogi203 | 2005-02-10 15:39 | 歴史分析
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