コルベールの重商主義政策でフランスの財政は豊かであったはずである。しかし、パリの市民及び農民は貧しい生活を強いられていた。ということは、豊かであるはずの財政が、国民のために使われていなかったということであう。
では、その豊かな財政はどこへ行ったのかとなると、それはスペイン継承戦争、オランダ戦争などの戦費と贅沢な宮廷生活の資金であろう。これが、議会主義の国家であるならば、議会はとうてい国王のそのような浪費を認めようとはしなかったであろう。ところが、フランスに議会はあっても開かれず、国民の意思は国政から締め出されたままである。これぞまさに、絶対主義の典型のようであるが、この絶対主義も国王の判断ミスで歯車が狂うことになる。
ルイ14世の場合、それはナントの勅令の廃止であり、そのため資力、技術、知識をもった新教徒がそれぞれにオランダ、イギリスなどの新教徒国へ逃れることになる。となると、豊かな財政を支えていた勢力がいなくなってしまうことになるから、他の手段を使っても財政の穴を埋めていかなくてはならなくなってくる。それが、徴税請負人による徴税強化などであるが、そのようなことに国民がいつまでも耐えるとは思われない。
当然、反乱が起こるであろうが、そのような反乱も一度鎮圧してしまえば終わりというものではなく、根本となる議会制度を改めなくてはならないということに気付かないうちは何度でも起こるであろう。