日々の出来事から、思ったこと、感じたことを綴らせてもらいます。
by nogi203
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高速バス衝突。

 公共事業が行われるとする。どの業者に発注するかは競争入札による。もっとも低い価格で入札した業者が落札することになる。それが基本的なルールである。談合があれば、その基本的なルールが崩れることになる。しかし、談合がなくても基本的なルールに歪みが生ずることがある。格別に低い価格で入札する業者が現れた場合である。他の業者としては、そのような業者と競争していては採算が取れない、仕方なく入札を見送るということになる。かくして格別に低い価格で入札した業者が落札することになる。そこで問題は、なぜ、そのような低い価格で入札できるのか、である。
 理由はすでに分かっている。労務コストを不当に低く抑えているのである。不当とは、労働法規以下の労働条件で労働者を使用していることである。低い賃金、長い労働時間、社会保険の未加入などなどである。その被害はすべて労働者に集まることになる。かくして、官製ワーキングプアといわれる人々が生まれることになる。
 今回、関越自動車道で高速バスによる大きな事故が起こった。この事故が起こった原因をみると、公共事業とその入札を巡る業者との関係に類似してるといえないか。仕事を発注するのは旅行会社である。発注された仕事を受注しようとするのはバス会社である。発注するという点で旅行会社と行政機関は同じ、受注するという点で業者とバス会社は同じ。そして、なんとか受注しようとして、低い価格で入札しなければならないのは、どちらも同じ。被害が労働者に及ぶことも同じ。その結果が悲惨なことになるのも同じ。公共事業と民間事業に違いはあるが、構図としてはほとんど同じである。
 では、どうするか。行政の対策は公共事業の入札に際し、入札業者の労働条件を審査し、合格した業者のみ入札に参加できるという方法である。それを条例で定めたものが公契約条例というものであり、すでに幾つかの自治体で成立している。もっとも、対象は公共事業の入札に限られるが、今回の事故を見ると、対象の範囲は民間の事業にも広げるべきではないかとも思える。
 ちなみに、労働条件審査は社労士の業務拡大につながるものとして、全国社会保険労務士政治連盟が多くの国会議員に法制化の働きかけを行っている。今回の事故はその追い風になるかもしれない。
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by nogi203 | 2012-05-01 16:08 | 労働基準法の穴
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